2022.11.30
日本各地の美食・伝統を世界へ 地方創生と海外進出を一気通貫で支援
デジタル貿易プラットフォームの開発・提供を手がける株式会社STANDAGE(東京都港区、代表取締役社長:足立彰紀、以下スタンデージ)は、日本各地が誇る農水産物や酒類、伝統工芸品等の輸出支援に注力するため、現行プラン「デジトラッド」をアレンジした貿易支援パッケージを開発しました。
急速に進む円安が輸出への追い風となるなか、生産量が少なく取りまとめのできる商社の少ない地方特産品の輸出はハードルが高く、都市部と地方の輸出額格差は依然大きく開いたままとなっています。今回開発したプランは、こうした課題を解決し、近年海外からの需要が高まる日本の特産品の世界各都市への輸出を促進するものです。初期の注力地域を北陸3県(石川県、富山県、福井県)に定め、ビジネスマッチングにおいて北陸銀行と提携。各地の事業者への提案を開始しています。将来的には日本全国の地域特産物や伝統工芸品など、日本の食や文化、技術を海外に広げ、地方創生と輸出高の拡大への貢献を目指します。
■背景
日本の人口は2008年をピークに減少し続け、国内の市場規模は縮小の一途を辿っています。
海外への販路を開拓し、外需を見出そうと動き出す企業が増えるなか、昨今急速に円安が進行したことで、輸出にはさらに強い追い風が吹いています。
国も輸出高の拡大に向けてさまざまな施策を実行しており、特に農林水産物においては、現状1兆円ほどの輸出額を2025年に2兆円、2050年には5兆円まで伸ばすという目標を掲出。これを受けて農林水産省は2020年に「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」をとりまとめています。
こうした取り組みにより、コロナ禍による一時的な落ち込みはあったものの、輸出高は緩やかな右肩上がりで推移していますが、中小企業の輸出高を都市部・地方部別に見ると、その格差はまだまだ大きく広がっています。
小規模・少額の輸出を取りまとめて扱うことのできる商社は限られていることや、中小規模の企業にとって自社で貿易人材を雇用することは現実的でないことなどが理由です。
スタンデージはこうした中小企業の輸出参入を促進するため、販路開拓から契約・交渉、決済、物流まで一気通貫で貿易づくりを代行するパッケージサービス「デジトラッド」を22年から正式に提供開始しており、のべ数十社の企業に導入いただいています。
このデジトラッドをベースに、内需の縮小や新型コロナウイルスの流行によって事業存続の危機にさらされている食品や酒類、伝統工芸といった地方特産物を扱う事業者を支援するサービスを展開できないかと考え、今回の新パッケージプラン開発に至りました。
■北陸注力の理由と北陸銀行との提携
北陸地方には、国内にはもちろん、海外にも誇るべき地域特産物が多数あり、輸出におけるポテンシャルが非常に高い地域といえます。
じゃらんリサーチセンターが今年7月12日に発表した「宿泊旅行調査2022」の「都道府県魅力ランキング」では、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」都道府県で1位が福井県、2位に石川県、3位に富山県と、北陸3県がベスト3を独占する結果となりました(※)。
国内においてその魅力を確かなものとする北陸の農林水産物・食品ですが、「少量多品目」という特徴柄、輸出となると太平洋側に集中する主要輸出港までの国内輸送コストが高くつくため、取りまとめることのできる商社が少ないという課題をかかえています。
北陸3県の中小事業者との強固なリレーションをもつ北陸銀行と提携することで、スタンデージのパッケージプランを活用した貿易参入支援を拡大し、北陸3県の輸出高向上を目指します。
※「じゃらん宿泊旅行調査2022」(リクルートじゃらんリサーチセンター調べ)
https://jrc.jalan.net/wp-content/uploads/2022/07/e3ea958ddb5cc1fbf5d6c9be22a8771b.pdf
■本プランの特徴
今回開発したパッケージプランでは、貿易を「まるなげ」できる現行のデジトラッドの機能やシステムを踏襲する一方、契約対象を弊社が設定する「地域特産物」としての基準を満たす事業者に限定することで、より初期費用を抑えた提案を可能にしました。
また、日本特有の地域特産物に特化した越境ECサイトを開発し商材を掲載。当該地域や作り手、特産品のストーリーや歴史、特徴をコンテンツ化し、海外向けのブランディングにも取り組みます。販売先は海外の日本食レストランを想定し、現地パートナー会社の協力の元、販路の開拓も同時進行で進めます。
スタンデージは今後も貿易丸投げパッケージプランの普及を通して、国内企業の海外進出および日本の輸出高拡大に貢献してまいります。