喜一工具株式会社

工具専門商社が挑むアフリカ市場開拓──属人輸出から脱却し、『おまかせ貿易』で見えた成長の可能性喜一工具株式会社 様

株式会社喜一工具は、1943年創業の機械工具専門商社です。国内外640社から商品を仕入れ、世界46カ国への輸出入を手がけています。属人化していた輸出業務の課題を見直し、『おまかせ貿易』を活用することで中東・アフリカ市場への進出を本格化させています。

課題

  • 輸出業務の担当者依存による業務の属人化
  • 既存顧客対応に追われる中での新規市場開拓の遅れ
  • 市場動向の把握不足によるマーケティング精度の低下

現状

  • 現地常駐スタッフによる海外現地の一次情報の獲得
  • 輸出業務に関する二者間のスムーズな意思疎通と課題の可視化
  • ナイジェリアを起点とした未開拓市場への進出体制の整備

今回、STANDAGEのおまかせ貿易を導入することになったきっかけを教えていただけますか?

弊社はこれまで約50年にわたって海外輸出事業を行ってきましたが、業務は特定の担当者に依存し、属人的な体制に留まっていました。私が海外事業の担当に就任した際も、新規開拓の基盤は整っておらず、既存顧客への対応に追われる日々。新たな市場へ一歩を踏み出す余裕がないという課題に直面していました。また、長年の取引先から得られる情報だけでは、市場全体の動向を把握しきれず、「本当にこの方向で良いのか?」と不安を感じることも少なくありませんでした。たとえば、「タイ市場はこうだ」と聞かされても、実際に日系企業がどの程度進出しているのか、現地の実情は見えてきません。マーケティングにも限界を感じていました。

弊社はメーカーから商品を仕入れ、それを輸出する商社です。仕入先から輸出の承認を得られなければビジネスは成立しません。しかし、すでに多くの日本企業が進出している東南アジアやアメリカでは、新たな販路構築が困難な状況にありました。

そうしたなかで、他社が未進出の地域を模索するようになり、中東やアフリカ市場に目を向けるようになりました。展示会などを通じた情報収集の中でSTANDAGEと出会い、特にナイジェリアの都市化やインフラ開発の進展について初めて具体的な情報を得たことで、大きな転機を迎えました。

それまでは「サバンナ」という漠然としたイメージしかなかったアフリカに対して、「現地に常駐スタッフを持ち、リアルな情報を届けてくれる」STANDAGEの存在は非常に魅力的でした。そこで、アフリカ展開の第一歩として、ナイジェリア市場の調査とサポートをSTANDAGEにお願いすることを決めました。

具体的にどのような内容でしたか?

最も価値を感じたのは、「現地にスタッフがいる」ことによるリアルな市場情報の提供です。弊社では得られない現地ニーズに基づいた具体的な提案や情報を受けられることは、大きな助けになっています。さらに、日本側のSTANDAGEの担当者と日本語で密にコミュニケーションが取れるため、当社の意図や考えを正確に伝えることができ、意思疎通の面でも非常にスムーズです。その過程で、こちらが見落としていた課題を逆に指摘いただくこともあり、貿易展開の可能性を広げる多くの気づきが得られました。

また、現地で商品をPRするためには、こちらの準備がいかに重要かということも、今回初めて実感しました。情報共有を進めるなかで、想定外の質問や角度からの提案を受けることもあり、柔軟な視点の必要性を感じています。

導入後、どのような効果が得られましたか?

現在、弊社の海外売上比率は約4%ですが、アフリカ市場進出を皮切りに、まずは5%、将来的には15〜20%まで引き上げることを目指しています。ナイジェリア市場での経験をもとに、今後は中東など、これまで未開拓だった地域にも展開を広げていきたいと考えています。引き続きSTANDAGEの提案を活用しながら、戦略を練っていく予定です。

また、同じような課題を持つ仕入先や協力企業とも、現地情報や販路の知見を共有し、連携による海外展開の可能性を広げていきたいと考えています。将来的には、弊社がハブとなり、日本の優れた製品を新興市場へ広げていく役割を担っていければと期待しています。

今後、おまかせ貿易にはどのようなサポートを期待されていますか?

現在のサポート内容には非常に満足していますが、今後さらに期待したいのは「製品連携」の提案です。たとえば、STANDAGEがすでに特定地域で展開している商材と当社製品が親和性を持つ場合、「この製品と一緒に御社の製品もご提案しませんか?」といったコラボレーション提案があれば、より高いシナジー効果が生まれると感じています。

世界中のモノづくり現場を支える、喜一工具が扱う高品質な機械工具。

 

喜一工具 近藤様のコメント

『おまかせ貿易』は、現地情報の不足に悩む企業にとって、非常に価値のあるサービスだと感じています。今回の取り組みは弊社にとって新たな挑戦でしたが、STANDAGEとのやりとりを通じて「自分たちが見落としていた視点」に気づくことができました。例えば、強みと考えていた製品の優位性について、改めて他社との差別化を整理する機会を得られ、今後の営業活動にもつながる大きな収穫となりました。

「現地に根差した情報」と「丁寧な対話による柔軟な対応力」を兼ね備えた『おまかせ貿易』は、これから海外に挑戦する日本企業にとって、大きな武器になると確信しています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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