2025.4.18
シンガポール市場における輸送の確実性と日本産品輸出ニーズを確認 スタンデージとABCクッキングスタジオが共同で現地試食イベントを実施
株式会社STANDAGE(東京都港区、代表取締役:足立彰紀、以下スタンデージ)と株式会社ABC Cooking Studio(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO 志村なるみ、以下ABC)は、2023年より継続的に取り組んでいる定温航空便によるドアtoドア小口輸送網の実証を、シンガポールを仕向地として2025年3月15日に実施しました。本実証では、スタンデージの自社サービス「おまかせ貿易」を活用し、輸出支援を行っている顧客の商品を貨物として輸出。さらに、現地シンガポールでは、ABC Takashimaya S.C.クッキングスタジオにて、両社が共同で商材の紹介および試食イベントを開催しました。本取り組みを通じ、日本-シンガポール間における当該輸送網の実用性・有用性、そして確かな需要を確認することができました。
■実証およびプロジェクトについて
スタンデージとABCは、三菱商事と連携し、2023年より定温航空便によるドアtoドア小口輸送網(※)の構築実証に取り組んでいます。これまで4回にわたりシンガポール等の東南アジア向けの貨物輸送を実施しており、今回で5回目の実証となります。
定温航空輸送の実証という性質上、主要な貨物は品質管理が求められる食品や飲料です。
シンガポールでは日本産の生鮮・要冷食品の需要拡大が確認されており、購買力も高いとされるため、実証に適した環境であると判断し、今回の仕向地として選定いたしました。
過去4回の実証ではいずれも単一箇所(三重県志摩市・千葉県銚子市など)からの冷凍・冷蔵両面での定温輸送を行いましたが、今回は日本各地から集荷し、品質維持に足る温度環境を維持した状態でのシンガポールへの輸送を行いました。
今回輸送した貨物について、輸送温度の維持精度および鮮度保持率の検証を行い、いずれも一定基準を満たしていることが確認できています。
また、シンガポールABCクッキングスタジオに、現地消費者の実食機会を設けることで、シンガポール市場での製品受容性と商流構築の可能性についての検証を行うことができました。
今回の実証結果を踏まえ、他国への展開も視野に入れた物流網構築に引き続き取り組んでいくとともに、温度管理技術のさらなる高度化を目指してまいります。
(※)東南アジア向け輸送における本物流網の構築は、JETRO(日本貿易振興機構)の海外サプライチェーン多元化等支援事業として取り組んでいるものです。
■「おまかせ貿易」厳選食材がシンガポールで共演 ABC監修のオリジナルメニューで提供
本実証の主目的は輸送網の構築ですが、日本産品の輸出需要の確認・促進との相性が良く、これまで三菱商事を通して自治体とも連携し、三重県志摩市や千葉県銚子市の産品の現地需要の確認および認知の拡大にも繋げてまいりました。
今回はスタンデージが「おまかせ貿易」で輸出支援を行う日本全国の食品生産・販売企業から厳選した9品目の食材・飲料を輸送し、ABCが監修したオリジナルメニューで調理のうえ、現地消費者61名への提供を行いました。
現地消費者の実食によって品質・鮮度が維持されていることを確認するとともに、各品目の産地や生産背景、特徴についてレクチャーを行うことで、日本産品についての理解とさらなる需要の喚起を促しました。
<イベント概要>
開催日時 2025年3月15日(土) ①10:30~、②14:00~
開催場所 ABCクッキングスタジオ Takashimaya S.C. Studio
参加者数 2回の合計で61名
※開催日時は現地時間で表記しております。
<輸送した食材一覧>
広島江田島産のオリーブのみを使ったオリーブオイル/株式会社山本倶楽部(広島県呉市)
今がまさに旬、濃い旨味と強い甘味が特徴の石川県産真鯛/金沢丸中水産株式会社(石川県金沢市)
富士山の湧水で育った高品質サーモン/株式会社瀬戸水産(香川県三豊市)
無添加にこだわった土佐の名物「かつおめし」の素/株式会社近森産業(高知県高知市)
栄養満点で脳も活性化 サンゴヤマブシタケ/久保産業有限会社(長野県千曲市)
厳選された国産素材を使ったかつおだし/浜弥鰹節株式会社(大阪府大阪市)
国産小麦のみを使用し伝統の製法にこだわった手延べそうめん/社会福祉法人 南高愛隣会(長崎県雲仙市)
岡山久米南町産の柚子果汁を100%使用したゆずぽん酢/石井食品株式会社(岡山県岡山市)
南九州生まれの希少な「黄金生姜」を使ったジンジャーワイン/株式会社永豊フーズ(岡山県津市)
<メニュー概要>
①オリーブオイルバゲット
②鯛の塩卵味・サーモンの黒胡椒仕立て
③鰹節混ぜごはん
④コーラルマッシュルームの鰹出汁仕立て
⑤素麺の柚子ポン酢添え
⑥ジンジャーワインのソーダ割り
■土佐の名物「かつおめし」に人気集まる 物販では即完売と現地需要に手応え
特に参加者から人気が高かったのは、近森産業社(高知県)が手がける「かつおめしの素」を使用した鰹節の混ぜごはん。味はもちろんのこと、ほとんど自宅で料理をしないシンガポール人には調理の手軽さも好評でした。
実食後に設けた物販で「かつおめしの素」が即完売したほか、同じく調理が簡単なサンゴヤマブシタケ(長野県・久保産業社)も人気を集めるなど、シンガポール市場における製品受容性を確認することができました。
また、イベント後に実施したアンケートでは参加者の95.1%が「満足した」と回答。
「日本食や文化に興味があったため、参加しました!日本食材についてもっと知りたくなった」
「サンゴヤマブシダケが美味しい、スープにして食べたい、購入しました」
「今後も日本の地域特産品試食会や高級食材を使った料理体験に参加したい」
といった声も寄せられ、新たな商流構築への動きに活かしていく考えです。
スタンデージは今後も日本全国の中小・中堅企業の海外進出支援を通じて、企業規模や地域を問わずすべての企業が輸出に参入できる土壌を形成し、「すべての国が、すべてのものに、平等にアクセスできる世界の実現」に寄与してまいります。
■ABC クッキングスタジオについて
https://www.abc-cooking.co.jp/
ABCクッキングスタジオは、国内・海外会員約170万人を抱える世界最大級の料理教室(2024年10月)。
2010年海外に初出店。以降、香港・台湾・シンガポール・タイ・韓国・マレーシア・インドネシアと、日本を含む8ヶ国・地域に教室を展開し、アジア圏を中心にサービスを拡大しています。「世界中に笑顔のあふれる食卓を」の企業理念のもと、料理・パン・ケーキを学べるABC Cooking Studio、4歳からのクッキングスタジオabc kids、1回きりの料理教室1day lessonなどのサービスを提供し、生徒さまに「手作りの食」の大切さと楽しさを伝えています。また、特産品を使ったレシピ開発やコンサルティングによる地方創生事業、商品プロモーションを目的としたメディア事業、企業や自治体に人材支援を行う派遣事業ABC JOB STUDIOなども展開しています。
■About Standage
2017年3月設立。「すべての国が、すべてのモノに、平等にアクセスできる世界の実現」をビジョンに掲げ、地域や国に関わらず安心・安全・安価に「商品」と「代金」の同時交換を可能にする、ブロックチェーンとステーブルコインを活用した新貿易決済システムの開発を行っています。主要な市場はアフリカをはじめとする新興国とみて、創業まもなくナイジェリアに拠点を設置し対アフリカ貿易事業を展開。貿易決済領域にとどまらず、販路開拓や受発注、国際物流といった貿易全体のDXを実現するシステムの開発・提供を行いながら、国内の新規貿易プレイヤーを増やすため、中小企業の輸出支援にも取り組んでいます。
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