届かぬ薬を、必要な人へ。医薬品企業が選んだ現地密着型輸出のかたちナガワ薬品株式会社 様

今回、STANDAGEのおまかせ貿易を導入することになったきっかけを教えていただけますか？

私たちは、アジアやアフリカの医療体制が十分に整っていない国々に対し、日本の優れた医薬品や医療機器を届けたいという思いから事業をスタートしました。しかし、現地の人々からは「日本製は質が良いと聞いているが、手に入らない」という声を何度も耳にしてきました。

日本の大手製薬会社は、市場規模の小さな国に対して積極的には動いておらず、人口300万〜500万規模の国では、ビジネスとして「手間がかかる割に利益が見込めない」と判断されることが多いのが現実です。規制産業である医薬品は、国ごとに異なる認可や制度が必要で、手続きにかかる労力も無視できません。結果として、現地にニーズはあっても応えられないというジレンマを抱えていました。

そうした中で出会ったのが、『おまかせ貿易』でした。海外との物流、法規制対応、現地事情への理解に強みがあると伺い、”これなら私たちの思いを形にできる”と感じ、導入を決めました。

具体的にどのような内容でしたか？

最大の価値は、現地事情を踏まえた柔軟な支援体制にあります。私たちが求めていたのは、ただ製品を輸出するだけでなく、現地のニーズに合った医薬品を、適切な形で届けること。例えば、モンゴルでは「苦しんでいる症状を和らげる薬が欲しい」という声が多く寄せられましたが、現地の経済状況では高額医療は現実的ではありません。

STANDAGEは、そうした実情に合わせた提案と対応をしてくださいます。さらに、私たちはコロナ禍で現地視察が難しい中、STANDAGEが持つアジア・アフリカ各国のネットワークは大きな武器となりました。過去にはイランや他国のパートナーと独自に連携を試みたこともありますが、十分な成果にはつながりませんでした。今は、STANDAGEの現地支援により、私たちが思い描く医薬支援を少しずつ形にできています。

導入後、どのような効果が得られましたか？

実際に導入してから、いくつかのプロジェクトが動き始めています。たとえば、モンゴルやマレーシアでは、現地政府や医療関係者と協力し、需要の高い薬品の選定と輸出に着手できるようになりました。これは、現地に根差した対応を可能にするSTANDAGEのサポートあっての成果です。

一方通行の「日本が売りたいものを押し付ける」ような輸出ではなく、「現地で本当に求められている薬を届ける」という、双方向のやりとりが実現できていることに手応えを感じています。

今後、おまかせ貿易にはどのようなサポートを期待されていますか？

今後は、各国の保健省（日本で言う厚労省）と直接的な連携を深め、その国の公的制度の中に入り込めるような仕組み作りを目指しています。そのためには、現地に根を張るSTANDAGEのようななパートナー企業との信頼関係構築が不可欠です。

また、国によって多い疾患も異なります。例えば、イスラム圏では甘いお茶の習慣や儀礼文化の影響で糖尿病が多いことが分かっています。こうした地域特性を正確に把握し、それに合った医薬品を選定・輸出できる体制をSTANDAGEと共に整備していきたいと考えています。

ナガワ薬品 大段様のコメント

弊社のように、大手が手を出しにくいニッチな国々を相手に、きめ細かい医療支援をしたいという企業にとって、『おまかせ貿易』は非常に心強い存在です。私たちは、儲けを優先するだけではなく、「困っている人に必要なものを届ける」ことを第一に考えて事業を展開しています。そうした志に共感し、具体的なアクションに落とし込んで支援してくれるSTANDAGEの存在に、感謝しています。

今後も、手を取り合いながら、一国でも多く、ひとりでも多くの人に、日本の医療技術を届けていけたらと考えています。